煤と膠を練り固めたもので使用する直前に自分で磨って使います。 塗った時に赤みのある茶墨や青みがかった色をしている青墨などがあります。 日本画の下仕事である骨描きや墨入れ、水墨画等を描く際にも用いられます。 書道用の墨を使用していただくことも可能ですが墨汁は日本画には不向きなので注意が必要です。また一度磨った墨は翌日に繰り越して使用する事は決してしないでください。面倒かもしれませんが必ず使用する当日に磨ったもののみを使用してください。
動物由来の天然の糊の様なものです。牛や兎等の動物の骨や皮等を煮だして抽出した蛋白質が主成分となっています。日本画の顔料はそれ自体に固着力がないのでそのままでは画面に塗っても定着しません。なので自分で膠と顔料を練って混ぜ合わせ絵具にして使用します。膠は様々な種類の物が存在しており膠の選び方にも描き手の個性が出ます。また、同じ膠を使っていても人それぞれに好みの濃度があり画面の発色などにも大きく影響を与えます。また膠は一度水に戻してしまうとあまり日持ちがしないので使用する際には注意が必要です。水に戻したものを保存する際は冷蔵庫では保管をしていただくと長くもたせることができます。
日本画を代表する白色顔料です。過去には鉛を主成分として作られた物が主流でしたが、現在では牡蠣等の貝 殻を精製して作られたものが一般的になっています。柔らかく自然な発色の白色が特徴で 本画の彩色の他、下塗り等にもよく用いられます。ただし現在の日本画に多く見られるような厚塗りの作品の下地にはあまり向かないので使用する際には注意が必要です。
胡粉や白土を染料で染めつけて作られた絵具です。値段が安く伸びが良いので少量でも広い面を塗ることができます。混色が簡単なので非常に手軽に扱うことができるのも特徴のひとつです。その性質を生かして下地の彩色等に用いられることが多いです。日本画初心者の方は暫くの間は水干絵具だけで描いて練習をするのが一般的です。
天然の鉱石等を細かく砕いて生成された絵具です。市販の岩絵具は砕いた鉱石の粒子を大きさ別に仕分けられ分級がされています。同じ鉱石から生成された絵具でも粒子の大きさによって色の濃淡が違い、細かくなるほど白く、粗いものほど色の濃い絵具となります。天然の鉱石から作られたものが天然岩絵具、それ以外には新岩絵具、合成岩絵具があります。 岩絵具は非常に高いと思われがちですが、実はそこまで高くはないものも沢山あります。 色々な商品の中から自分の懐事情に合ったお気に入りの絵具を探し出すのも日本画の楽しみ方の一つになります。 また自分で石等を砕いて岩絵具を作ることが出来るのも日本画の魅力です。
日本画は様々な筆を用途に合わせて使い分けて描きます。輪郭線等を描く為の骨描筆、ぼかし等に使用する隈取り筆、色を塗る彩色筆や刷毛類等。最初から全て揃えるのではなく、必要に応じてその都度買い足していく事をお勧めします。
基底材とは紙や絹など画面の土台になる素材の事です。何に描くかで絵具の発色や表情が大きく変わりますので自分の作風に合った基底材を探して色々と試してみることをお勧めします。他にもキャンバスやその他布類、寒冷紗、木製パネル等が多く使われている素材になります。