一方の岸本君の作品は彼独特の世界が描かれており特に空間の表現に魅力を感じました。見ていて少し不安になるような吸い込まれそうな不思議な作品で才能を感じました。その他にも魅力的な作品が 沢山あり良い勉強になりました。この若さでこれだけの作品が作れる後輩たちがいることを先輩として勝手に誇りに思います。自分の卒展を思い出すと本当に恥ずかしいです…。成安の日本画も最近は大分良くなってきたなぁ、と偉そうな事を思いながらその日は気分良く帰路につきました。
次は京都府新鋭選抜展。個人的には北川さんと今岡さん、戸田さんの作品が良かったです。北川さんと今岡さんは成安の先輩と後輩でお二人ともそれぞれ違った方向で抜群に高い技術をお持ちで今回の出品作もとても魅力的でした。北川さんのハシビロコウは遠目で見ると非常に美しく格好いいなあといった印象でしたが、近寄って見てみると所々に細やかな仕事の跡が見え良い意味で泥臭さを持ったリアリティのある作品でした。今岡さんは今回も古典に学んだ線の仕事が冴え渡る風格のある作品でした。末恐ろしい後輩です。戸田さんは流石の大賞作だなと。割りと派手目な作品が多い会場の中でひっそりと展示されていて、静かな作品ですが何時間でも見ていたくなるような引き込まれる様な魅力がありました。その他には笠井さん、宮田さん、後藤さん、西久松友花さん等の作品も気になりました。
今日は用事で大阪に来ていたのでついでに日展を見に大阪市立美術館まで足を運んでみました。僕も過去に全関西美術展に出品した際にこちらの美術館で展示をして頂いた事はあったのですが、自身で訪 れるのは初めてでした。駅近で動物園や喫茶店、広場等がありその素敵な空間の一郭に美術館もありました。
去年は見逃してしまったので2年ぶりの日展鑑賞ということになったのですが、やはり流石に安定感のある作品が多く並び見応えがありました。欲を言えばもう少し出品点数が多ければ尚良かったのですが。こればかりは会場のキャパシティーの問題なので仕様がないのですが、それだけが少し残念でした。地元作家さんの作品を展示する為とはいえ無鑑査の作家さんの作品すら削られるとはなんとも厳しいなぁと感じました。まあもっとも僕がちゃんと京都展に行けていたらもっと沢山の作品を見れていたのでしょうから自業自得なのですが。ただその分いつも京都で見ている時よりも無駄がないというか、全体的に引き締まった展示になっていた様にも感じられてその点は良かったような気もします。
次は日本画新展を見に行きます。
毎年この時期に美術館「えき」KYOTOで開催されている日本画の展覧会を見に行ってきました。今回は少し遅い時間に到着したので普段以上にじっくりと作品を見て回ることが出来ました。その中で個人的に面白いなと思った作品が幾つかあったので適当に羅列を。
まずは三賞の作品。流石受賞作だなと。特に大賞の上坂さんの作品は今まで9回の日本画新展の歴史の中でも個人的に1、2を争う程に魅力的な作品で大変惹きつけられました。モチーフや空間のどこを見ても不思議な作品で、薄塗りでもこれだけの深みのある作品ができるんだなと勉強になりました。
その他に気になったのは小林さん、野上さん、魚住さん、大嵜さん、佐々木さん、澤村さん、寺脇さん、中村さん、山名さん。
その中でも大嵜さんの作品には会場内でも異質に見え会場を出た後も妙に気になりました。プロフィールを見てみると京芸出身ということで作風的にも非常に納得なのですが、色遣いやマチエール、絵柄等が良い意味であまり今の時代の作品には見えないというか、大分昔の作品を見ているようで逆に新鮮だなと感じました。寺脇さんの作品も正直何を描いているのかは解りませんが自分好みで綺麗な作品だったなと強く印象に残っています。
その他思う事は、今回は男性の出品者の数が少なすぎやしないかと。その辺りがちょっと残念です。全体の38名の出品の中で男性は10名のみということでなんだか寂しいです。ただその中の半数が賞候補に入っているということで僕は今回は無関係なのですが少し嬉しく思います。
あとは成安関係者の出品も少なくて残念です。もう少し見たかったなぁと。